基本的な買い物の仕方

施設・サービスの利用

引きこもり生活が長くて、久しぶりに買い物するからちゃんとできるか不安…

精神疾患があるから、お店に入ると緊張する…

ひとりで買い物したことがないから、買い物の仕方が分からない…

そんな方のために、この記事では買い物の手順や、買い物中の不安を軽くするコツについて詳しく解説しています。

 

買い物の基本的な流れ

買い物には、いくつかのステップがあります。
順番に説明しますので、一緒にイメージしてみてください。

 

お店に行く前の準備

買い物をスムーズにするために、事前の準備が重要です。

 

① 買うものを決める

行く前に、買いたいものをリストにまとめておきましょう。
紙に書いてもいいですし、スマートフォンのメモ機能を使うのも便利です。

  • 例:「牛乳」「パン」「洗剤」

 

② 買い物する時間を選ぶ

お店が混んでいると緊張しやすいので、できるだけ人が少ない時間帯を選びましょう。
たとえば、朝早い時間や平日の昼間などが比較的空いていることが多いです。
お店がオープンしている時間を確認しておきましょう。

 

③ お金を準備する

現金で支払う場合は、あらかじめお札や小銭を財布に入れておきましょう。

クレジットカードや電子マネーを使うと、小銭を数えて出す手間と時間が減るので、筆者(対人恐怖あり)は利用しています。
チェーン店であれば、だいたいのお店がクレジットカードや電子マネーに対応しています。
ただ、対応していないお店もあるので、事前に調べたり、万が一に備えて現金も持っておくとよいでしょう。

 

お店での行動

お店に着いたら、リラックスして少しずつ行動していきましょう。

 

① カゴを持つ

お店に入ったら、入り口付近にある「買い物カゴ」を手に取ります。
たくさんのものや重いものを買うときは、カートを使いましょう。入り口にあるものを押して使います。

 

② 商品を探す

買いたいものがどこにあるかわからない場合は、店内の案内板や棚のラベルを探してみましょう。
スーパーなどでは、天井付近に案内があることが多いです。
どうしても見つからないときは、店員さんに聞くこともできます。

すみません、牛乳はどこですか?

 

③ 商品を選んでカゴに入れる

商品を見つけたら、賞味期限や値段を確認して、自分が欲しいものを選びます。
カゴに入れるときは、割れ物(卵など)はそっと入れるようにしましょう。

 

レジでの支払い

商品を選び終えたら、いよいよお会計です。

 

① レジに並ぶ

レジの列がある場合は、最後尾に並びましょう。
床に立つ位置の目印があることがあります。確認してみるといいでしょう。
店員さんが「次の方どうぞ」と言ったら、レジの前に立ちましょう。

レジの前にお客さんがいない場合は、そのままレジの前に立ちましょう。

 

② 会計の流れ

  1. カゴをレジ台に置きます。
    何も言わなくても大丈夫ですが、もし気持ちに余裕があれば「お願いします」と言ってみるといいでしょう。
     
  2. いくつか店員さんから聞かれることがあります。
    返答は、店員さんがわかりやすいようにするとよいです。
    自分の声が小さかったりする場合は、発言と共にうなずいたりして身振りも取り入れてみましょう。
会話例
店員さん
店員さん

こちら温めますか?(コンビニでお弁当などを買った場合)

はい or いえ、大丈夫です

店員さん
店員さん

レジ袋ご利用ですか?

はい or いりません

店員さん
店員さん

ポイントカードお持ちですか?

はい(無言で出すだけでもOK) or ありません

  1. 商品がスキャンされて、合計金額が表示されます。
     
  2. 支払い方法を伝えます。

    現金の場合
    「現金で」と言わなくても、そのままお金を出せば大丈夫です。

    クレジットカードや電子マネーの場合
    「(支払方法)で」と伝えましょう。
    店員さんから指示があるので、支払い機にカードや端末をかざします。
会話例
店員さん
店員さん

お会計980円です

paypayで

  1. お釣りやレシートを受け取ります。
会話例
店員さん
店員さん

レシートご利用ですか?

はい or いりません

  1. 最後に、気持ちに余裕があれば「ありがとうございます」と言ってみましょう。
    言わなくても大丈夫ですが、一言伝えると、きっと店員さんも良い気持ちになるはずです。

③ 袋詰めをする

スーパーなどのお店では、レジを通った後に、自分で袋詰めをする必要があります。
レジ付近に「サッカー台」と呼ばれる袋詰め用の台があるので、そこで商品を袋に詰めます。
エコバックに商品を詰める際、お弁当・野菜・肉のパックなど他の物を汚す可能性のあるものは、台に置いてあるポリ袋(ロールされているので、引っ張って使います)に入れましょう。

 

お店を出る

袋詰めが終わったら、あとはお店を出るだけです。
お疲れさまでした!
緊張する場合は、一度深呼吸をして自分のペースに戻しまょう。

 

不安を軽くするためのコツ

ここでは、よくある不安とその対処法を紹介します。

 

店員さんと接するのが怖い

  • 店員さんとのやり取りは最低限でOKです。
     
  • 店員さんは、その仕事の一環としてお客さまに対応しているだけなので、あなたが「話し方がぎこちないかも」とか「何か失礼なことをしてしまったらどうしよう」と心配する必要はありません。
    たとえうまく話せなかったり、言葉が少なかったとしても、気にすることはありません。
     
  • 声を出すのがつらい場合は、「レジ袋ください。」というWebアプリを活用してみてはいかがでしょうか。
    スマホに「レジ袋ください。」等のメッセージを表示して、自分の意思を相手に伝えるアプリです。

周りの目が気になる

  • 他のお客さんは、自分の買い物に集中しているので、あなたをじっと見ていることはほとんどありません。
     
  • 必要以上に自分を責めることはやめて、「ただお買い物をしているだけ」と考えるようにしましょう。
    あなたが気にするほど、周囲の人たちはあなたの行動に注目していないことが多いです。

 

レジで失敗しそうで怖い

  • 慌てず、自分のペースで行動して大丈夫です。
     
  • たとえ少し手間取ったり、間違えてしまったとしても、店員さんは日常的に対応していることなので、特に気にされることはありません。
    レジでの「失敗」は、想像するほど大きなことではないので安心してください。
     
  • 店員さんは、わからないことがあったとき助けてくれる存在です。
    たとえば、「これで支払えますか?」や「やり方がわからないのですが…」と声をかけるだけできっと親切に教えてくれます。
     
  • たとえ失敗したとしても「また一つ練習できた」と思って、自分を責めずに前向きに考えましょう。
    少しずつ経験を重ねるうちに、自信がついていきます。

 

落ち着くための方法

レジでの会計や買い物中に緊張してしまったとき、心を落ち着けるための行動を知っておくと安心です。
以下の方法を試してみてください。

 

深呼吸をする

緊張しているときは、呼吸が浅くなりがちです。
ゆっくり呼吸してみましょう。

  1. 鼻からゆっくり息を吸い込みます。
    お腹がふくらむのを感じながら、できるだけ深く吸いましょう。
  2. 口からフーッと息をゆっくり吐きます。
    吸うときよりも時間をかけて吐きましょう。
    吐きながら「緊張が抜けていく」とイメージすると、より効果的です。

 

漸進的筋弛緩法

体に一度ぐっと力を入れてから緩めると、リラックスしやすくなります。

  1. 両手をグーに握り、腕全体に力を入れて5秒キープ。
  2. 力を抜き、腕をダラーンとさせて10秒リラックス。

 

落ち着くアイテムを持ち歩く

緊張しやすい場面では、自分が安心できるアイテムを持っておくと効果的です。
アイテムに触れることで気持ちが少し安らぎます。

  • ハンカチを握る
  • 小さなアクセサリーやお守りを持つ

 

自分に優しく声をかける

心の中で、自分に向けてやさしい言葉をかけてみてください。
「大丈夫、少しずつ慣れていけばいい」
「焦らなくていいよ」
こうした言葉が、心を少し軽くしてくれるはずです。

 

少しずつ慣れていこう

初めて買い物をするのはとても勇気のいることです。
いきなり完璧を目指す必要はありません。
以下のようなステップを少しずつ試してみてください。

  • コンビニで少額の商品を買う
    コンビニは店内が狭く、商品が見つけやすいので、練習にぴったりです。
     
  • 家族や友人に付き添ってもらう
    誰かが一緒にいてくれると、不安が軽くなります。
     
  • セルフレジを使う
    セルフレジは店員さんとのやり取りが少ないので、対人不安のある方におすすめです。

 

自分を褒めることを忘れずに

たとえ小さな一歩でも、買い物に挑戦できた自分をしっかり褒めてあげてください。
失敗しても大丈夫。練習を重ねるうちに、だんだん慣れていきます。
あなたが一歩踏み出せたこと、それ自体がとても素晴らしいことです!

 

まとめ

買い物は日常生活に必要なことですが、対人不安や緊張があると、大きなハードルに感じることもあります。この記事では、買い物の流れや不安を軽くするコツについて詳しく解説しました。

  • 事前の準備(買うものリスト・支払い方法の確認など)をしておくと、スムーズに買い物できます。
  • 買い物の基本的な流れを理解しておくと、行動しやすくなります。
  • レジでの支払いも、流れを覚えておけば焦らずに対応できます。
  • 不安を軽くする方法(深呼吸・漸進的筋弛緩法・落ち着くアイテムなど)を活用すると、心を落ち着けやすくなります。
  • 最初は無理せず、自分のペースで少しずつ慣れていくことが大切です。
  • 買い物が終わったら、必ず自分を褒めてあげてください。

緊張してしまっても、それは決して悪いことではありません。
買い物は繰り返すうちに、だんだん慣れていきます。

あなたのペースで、できるところから少しずつ挑戦してみましょう!

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